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光り物と青魚の違い 丁度、シンコを今シーズンも滞りなく提供出来たタイミングで、ちょっと薀蓄を。 実は、魚は、分類上は赤身と白身の2種類しかありません。 この分類は、水産資源を大雑把に分類するために便宜的に作られたようなもので、血液中のヘモグロビンの量の多少で分けているだけです。 永く泳ぐマグロ等は、長距離ランナー、酸素を大量に必要とするのでヘモグロビンが必要、赤くなります。 一方、ヒラメの様にじっと待っていて餌が来た時にがばっ!と動く、瞬発力の必要な魚は、短距離ランナー。 筋肉は速筋が発達して白い訳です。 栄養価の面から考えると、赤身系はDHEやEPAなどの含有量が多く、また、うまみ成分のイノシン酸は、サバ>カツオ>イワシがトップでその他の魚はそれ以下となります。 問題の青魚は赤身に属します。 マグロやカツオの仲間と思ってください。 この機会に、ぐっと鮨っ喰いレベルを上げて頂きましょう。 青魚(あおざかな)青物(あおもの)というのは、字のごとく、背中が青い魚です。 アジ・イワシ・サバ辺りが、伝わりやすいでしょうか? あとはこれからがシーズンのサンマですね。 身が、白くなくて、少し赤みがかったグレーと言えば解り易いでしょうか。 正直、赤身と白身の違いと成るとカンパチやブリは青魚に成りますし、更に大きいヒラマサなんかも青魚という事に成りますね。 まぁ、この辺は身が白ければ『白身』と言って貰ってもこちらもご対応いたします。 一方、光り物(ひかりもの)と言われるネタは、コハダ・サヨリ・シロギス・太刀魚、等皮が光っているものをさしますが、身質は白身です。 これが大きな違いなんですね。 もちろん栄養価や、脂肪の割合とかを話し出せばもっと深い話に成りますが、それらの薀蓄は、現在制作中の『蒐』の方で、うまけりゃフリークの方達の為に、いつか書き連ねます。 うまけりゃいい屋で、青魚がダメだった方達が青魚を好きになり、 光り物だけはダメ、と言っていた方達が光り物を好きになり、 貝なんて美味しくない、と言っていた方達が鮨には貝が無ければ始まらない、 と美味しい物を好きに成ってくれる事も多く、鮨職人冥利に尽きる事ですが また、鮎が好きじゃない、という方も沢山居られました。 うまけりゃの鮎寿司を召し上がって、鮎を見直してくれるわけですが、光り物の天辺のシンコに始まり、鮎もその一つです。 鮨屋さんでも、寿司屋さんでも、皮が光る物は、赤身だろうが白身だろうが全て光り物って、括ってしまう職人さんも多いですが、実は違うと、私は師匠達から教わってきましたね。 だから、うまけりゃいい屋では、青魚と光り物は違うものとして紹介しています。 夏の鮨ダネの鮎。 江戸時代から江戸前鮨では、利根川水系の鮎を使っていたようですね。 うまけりゃでもおなじみの『鮎の姿寿司』は、昔からの江戸前ネタの一つです。 今は、作る職人さんもかなり減ってきたようで鮨ダネとして、鮎が有るなんて知らない職人さんも多いいんでしょうかね。 今日は、光り物と青魚、の話でした。 |
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なにげなく目にし耳にしてきた言葉でも、
改めてその意味を考えてみると、そこには新たな発見が。
言葉をつむぎ、時をつむぐ
目の前の一皿が紡ぎだす食の豊かさを感じていただければ幸いです。