むらさきの出番

ネタとナミダとシャリ
その一体感がお鮨の醍醐味ですね。
シャリは、仏舎利の舎利。
すし飯の白の美しさを、徳のあるお釈迦様の骨に例え、
舎利と呼ばれます。

なみだは山葵のこと。
ワサビは辛さだけをくわえるためではありません。
もちろん毒消しだけなんて野暮な事もいいません。
その食材に甘味と風味を加えるための大切な役目を担っています。

うまけりゃいい屋のワサビは、日本一と言われる伊豆の天城産。
ワサビは苦手とおっしゃる方に、無理にお勧めすることはありませんが、
ほんとうのワサビのもつ甘さと香りを感じていただけたら、
またひとつ、世界が広がるように思います。

うまけりゃいい屋でお鮨をお出しするときには、
そのまま召し上がっていただけるように、
塩をふったり、煮キリ(出汁むらさきを煮切った物)を塗ったりしてお出ししています。
煮だね等はその煮汁を煮詰めた、煮ツメを当てる事もしばしば。
その季節の、その素材のおいしさを
最大限に発揮する召し上がり方で楽しんでいただくためならば、
自家製のむらさきの出番さえもなくしてしまうこともあるのです。

ネタへの仕事は、言うまでもありませんね。