鮨を『盛る』 お鮨は盛る(もる)と言いますね。 平らなのによそる・・・でも、並べる・・・でもないんです。 歴史ある物のように言われる江戸前寿司ですが、 関西寿司、上方寿しの方が歴史は長いのです。 関西寿司の特徴は、皿の中央に頂点が来るように鮨を積み上げる盛り方なんです。 押し寿司など、積み上げても潰れないお鮨ですからね。 綺麗な大皿にそれはそれは、美しいですよ? ですからそう・・・・盛るんです。 それが平たく並べる江戸前寿司でも使われているんですね。 修業時代、握りずしを大きな桶に盛るのを任された時に、 まるで素敵なお庭のようにあしらいも使って立体的に仕上げて、 鮨を積み上げさせて、かなり満足げに提出した所、 親方にコテンパンに叱られた私が言うんだから間違いない。 口どけが身上の江戸前ずし、潰れたら価値が無いそうです。 江戸前は、盛ったら叱られるんです。 それでも、、、盛るで良いんです。 矛盾です。 |
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なにげなく目にし耳にしてきた言葉でも、
改めてその意味を考えてみると、そこには新たな発見が。
言葉をつむぎ、時をつむぐ
目の前の一皿が紡ぎだす食の豊かさを感じていただければ幸いです。