ホッキ貝にも、上物があります。 町の寿司屋さんでよく使われるのは、通称白ホッキ貝と呼ばれるものですね。 写真のホッキ貝が、本ホッキ貝です。 香りが違う、甘味が違う、旨味が違う、深みが違う。 全てにおいて、白ホッキ貝を上回ります。 うまけりゃいい屋では、本ホッキ貝しか使いません。 うっわぁ。ホッキ貝ってこんなに美味しいの!? はい。その言葉を聞きたくて、日々頑張ってます。 ちなみに・・・・・・回転寿司やお持ち帰りの寿司で出る、えんじ色したホッキ貝・・・と、 呼ばれている物は、アメリカウバガイ。 偽物だとは言いませんが、あれを美味しい・・・と感じる方は少ないでしょう。 本物・・・・・うまけりゃいい屋に有りますよ!!! 一度本物食べれば、違いは歴然なんですがね。 |
さて、地方によって食べる魚に特色があります。 神奈川県の西部地方の特色のひとつが、このおしつけです。 かなりの高級魚に成ってしまい、なかなか口に入らない魚に成ってしまいました。 小田原でも、専門で採る漁師さんは、一軒か、二軒になってしまったとか。 神奈川県西の正月の人寄せには欠かせない魚です。 特に御殿場沿線の地域のお正月には、マグロの赤と、おしつけを酢につけて真っ白にしたネタで紅白寿司にして頂いたものでした。 大好きなんだ!!!と言う方、いらっしゃる事でしょう。 うまけりゃいい屋は、全国から魚を集めています。もちろん地元相模湾の魚だって。 おしつけ…当たり前のように、うまけりゃいい屋に有りますよ!!! |
春の季節は、桜鯛。 秋の季節は、紅葉鯛。 美しいでしょう? この季節の真鯛は文句なしに美味しいのです。 ああ・・・・天然ものに限ってですよ? えんじ色した、日焼けした養殖物と一緒にして欲しくないですね! 上の写真は、豪快に鯛飯にする物の途中経過です。 そして、どん! これは、3.5キロ青森県は大間産です。 大間といえばマグロを想像する方も多いと思いますが、マグロがうまいという事は、 もちろん鯛だってうまいんです。 2〜3キロの真鯛が一番美味しいです。 11月は、七五三や、結納など、おめでたいお客様が続きますので、 続けて、紅葉鯛をみなさんにもお見せします。 君は、優勝した力士ですか?・・・・・てな感じで。 そして、じゃじゃ〜〜〜〜〜〜〜〜ん! うまけりゃいい屋で、おめでたい席のお料理としてご注文の多い豪華鯛飯!!! もう・・・・語るまでもないですが、 鯛のおぼろでんぶの美味しさに、鯛の養老焼きの美味しさに、ただ唸って頂けるはずです。 そして、深く頷いて頂けるはずです。 『親父!!!本物は違うな!?』 『はい。ありがとうございます!』 |
ミル貝にも、本物・・・・・と呼ばれるものがあります。 上記のホッキ貝もそうですが、わざわざ我々プロが市場で、“本”と付けて扱うのですから、 皆さんにもその真意が伝わるかと思います。 本物は・・・・・・全然違うんですよ。 美味しいから本物。 そうでないものは、”本”・・・・が付かないんです。 悲しいですが、この現実を解って頂けたらと思います。 嘘偽りない、食材を吟味出来ること。 本物を取り扱うが故に手間のかかる技術を駆使し、 その手間暇をかける行為を喜びとし、その知識を持つ者を、 ”職人”と呼ぶのです。“板前”と呼ぶのです。 最近、手間暇をなるべく掛けないようにする板前さんのなんと多いことか。 出来あい物の知識ばかりで、本物に出会った時に何にも出来ない。 本物・・・を扱った事が無いために、お客様に偽りを吹聴する板前さんのなんと多いことか。 養殖の鯛を100本捌けたところで、天然の鯛一本満足におろせやしませんよ? 養殖のトラフグ捌けたところで、ふぐ免許は貰えるでしょうが、 天然のトラフグ扱う勇気はないでしょう? ロボットで成形されたシャリ玉握って、 まさかそれを握りずし・・・・だなんて口が裂けても言えないでしょう? 修業を積まない素人の板前さん達に告ぐ! それで板前だなんて言わせないよ? お客様を持て成す事に、喜ばせる事に、本気に成ってますか? その為には、正しい知識、正しい技術、正しい心が必要です。 毎日食材を扱って料理を作って、 お給料を貰っていれば”プロの板前”なのだと思ったら、大間違いです。 それならば旦那さんからお給料預かって切り盛りしている家庭の主婦と何も変わりません。 (実際、僕の修業時代に調理補助のパートさんよりも腕が悪かった板前さんを、 何百人も見てきましたね。) プロ・・・・・・は、知識、技術、確実性、裏付けがあってこそなんです。 更に日々勉強し、、その全てを上書きして行く事にためらいを感じてはいけません。 昨日まで一番だと思っていた事を、恐れずに上書きして行く心の強さが必要です。 修業を積んだ本当の料理人は、知識も技術も心持ちも違うんですよ。 |
奔り(はしり)、盛り(さかり)、名残り(なごり) それぞれの粋、それぞれの風味を堪能してください。
お料理から季節を知る、日本ならではの贅沢を感じていただければ幸いです。